2014年2月11日火曜日

PathfinderRPG GM Q&A『スポイルなのか、スポイルではないのか、それが重要だ』

◇免責◇

以下の文はdvampの個人的見解を示すものであり、「そうするのはあきらかにおかしい」とか「それはダメ」とかいう気は毛頭ありません。またdvampはいしかわ氏やルールに対して「参加者全員が納得できて参加者たちが面白いと感じるならどう変更してもかまわない」と考えてる人ですので、その辺をご理解、ご承知の上でただの意見の発露と思って読んで下さい。

スポイル=デジタルでいうところのオフ、つまり全く効果がないの意味で使っています。スポイルについて色々書いてきましたが、勝手知ったる仲の場合はともかく、コンベンションなどの知り合い以外とのセッションの際には慎重にならなくてはいけません。

自分の過去の経験1から申しますと、マスターがスポイルした瞬間に多くのプレイヤーは“理不尽”と感じるものです。

ただ、この種の罠ってのもやり過ぎるとやっぱりいろいろアレなんで、やるときは「見た目にわかりやすい仕掛けがある」とか「これくらいの前振りあったら疑ってよ」みたいな、「PLが理不尽と思わない仕組み」を作っておくのがよいかと思います。

(中略)

とにかく、なにかしらの前兆とか注意喚起があれば、プレイヤーが感じる理不尽さは大きく軽減できるので、アクション映画とかを参考にいろいろ考えてみると楽しいかと。

スポイルの例としては、呪術のまどろみが強いので絶対眠らないアンデッドやドラゴンを敵として出す、悪を討つ一撃が強いので悪を出さない、〈知覚〉特化の罠見抜きキャラがすべての罠を看破するから12ftの距離で発動する罠を設定するなどなどです。

誤解されると困るので、何度も書きますが、いしかわさんの対応がおかしいとか理不尽だとか言いたいのではなく、「いしかわさんがやったからこの対応はいいんだ!」と思ったマスターがコンベンションのような勝手知ったる仲ではない人が参加するシナリオに理不尽なものを設定すると困るので書いているだけです。

では、どうすれば良いか?

マスターはまどろみを使われたらそれを甘んじて受け続けなければならないのか?
悪を討つ一撃でボスを倒されなくてはならないのか?
〈知覚〉特化の罠見抜きキャラがすべての罠を看破されなくてはならないのか?

答えはYesであり、Noでもあります。

スポイルをデジタルのようにオフにすることと言いましたが、全く効かないということをしなければいいんです。

まどろみが強いなら敵の数を増やしてまどろみだけでは対応できないようにする
悪を討つ一撃が強い敵も善を討つ一撃を使って脅威を演出する
〈知覚〉特化の罠見抜きキャラが強いなら罠以外の要素も必要にする

といった具合です。

これを見て、「抑制している点では同じではないか!」と思う人もいると思います。例えば、活躍の度合いを1回10点として、スポイルされた時は0点(全く使えなくなるので)、上記のように抑制された時は8点とすると

  • 6回に1回スポイルする:50点
  • 6回に1回は10点、残り5回は抑制する:50点

と活躍できる度合いは全く一緒になります。

これを見て、スポイルも抑制も同じと思うかもしれません。しかし、活躍の度合いが0回にあたった時がプレイヤーにとって辛いのです。デジタルで言うと、活躍の平均値は同じでも、標準偏差は違います。

今回の例では、前者は平均値は8.33、標準偏差は3.73になりますが、後者は平均値は8.33ですが、標準偏差は0.76にしかなりません。

標準偏差=平均値からの分散の度合いなので、標準偏差が大きいということは、それだけ平均値から離れた値を取るということです。今回の例では、前者の方がスポイルされた際に活躍の度合いが極端に下がっていることからも分かると思います。

キャンペーンをするような繋がりがあるのであれば、長い目で見ることができるので、標準偏差に拘る意味は薄いですが、コンベンションのような一期一会の場合は標準偏差を小さくするようにしないと、多くのプレイヤーは“理不尽”に感じるのを減らすことができます。

ちなみに

4th Cage Blog: 【PF】GM Q&A -幻術と罠って、いつ気付くの?-にて

あと、罠見抜き持ってる〈知覚〉の高いPCがブイブイ言わせてるのに困ってる場合(Kingamakerにおけるマルルイスのように)は、罠を「天井が開いて部屋を川の水で満たす」「発動したら60ft内に広がるガス」「巨大な丸石が転がってくる」とかの、10ft以内の受動〈知覚〉では見つけられない罠にするという手があります。
パスファインダー・モジュール三部作の一作 ”City of Golden Death ”でも「12ft先の床が爆発してドロドロに溶けた金が吹き出す」みたいな罠があるので、たぶん世界中のGMが困ってるもんなんだろうとは思いますがw

12ft先の床が爆発してドロドロに溶けた金が吹き出す」みたいな罠があるので、たぶん世界中のGMが困ってるといしかわさんが書かれていますが、これは公式シナリオの通りではないので注意してください。これはこの時のセッションのマスターである、位坂さんが弄った部分であり、このシナリオには「12ft先の床が爆発してドロドロに溶けた金が吹き出す」という記載の罠はありません。


  1. マスターからサンプルキャラクターとしてトリッパー(足払いをコンセプトとしているキャラ)が準備されており、それを選択したところ、出現する敵がすべて飛行する敵だった(飛行している敵には足払いは効かない)ほか、ひどい体験

2014年2月8日土曜日

六門世界RPG1st 『魔神が生まれた日』

内輪にせがまれて、六門世界RPG1st 『魔神が生まれた日』を遊んで来たのでざっくりと感想。

◆メンバ

  • エルフ/ビーストテイマー 女性 おせっかい/素直
    グリフォンを従えるエルフの女性。この異種族パーティーのリーダーで最強の矛と盾を持っているが、不安定
  • ダークエルフ/トレジャーハンター 女性 一匹狼/クール
    一匹狼でクールな性格から単独で今まで仕事をこなして来たが、トレジャーギルドの依頼によって、しぶしぶパーティーを組むことに
  • ナイト/ホーリーオーダー 女性 素直/騎士道精神
    パラディン1を目指す聖堂騎士。
  • ケット・シー/デュエリスト 女性 きまぐれ/わがまま
    ネコそのものなケット・シーの自称猫王銃士隊員。王から賜ったレイピアが盗まれ、その手がかりに今回のクエストを受ける

トレジャーギルドの本拠地のある、ここフューレンの街。

そこに一風変わったものたちが集まっていた。
あるものは外界を知るために。
あるものは技術を学ぶために。
あるものは鍛錬をするために。
あるものは好奇心を満たすために。

以後Role&Roll vol.6に掲載のシナリオを使用してのセッションのため、詳細は省きます。

なので、雑感ベースですと…。

  • 他のRPGよりイメージ先行でキャラ組むとキツイ(特にナイト/ホーリーオーダーとケット・シーで前衛)
  • 同時攻撃が発生するのが六門の面白さ?(ケット・シーがそれで倒れた)
  • 失敗するのもそれはそれで面白いのが六門の華?
    • とりあえず、ナイト/ホーリーオーダーのダイス目美味しいです(^q^)
    • 失敗してもめげないのは自分のやりたいクラスをしていたから?
  • ダークエルフさんがいつのまにかツンデレになっていたが、いつもの定常運転だったw
  • グリフォンTUEEEEE!と思ったけど、あんまり活躍できなくて吹いた2

  1. 六門世界にあるのかね?

  2. 本来はメインとサブクラスをビーストテイマーにしている必要があるが、異種族だとそれができないので、特例でレベル上がるまで成長できない縛りとランダムで命令を聞かない可能性があるとしたら、ほとんど命令を聞かず、最後の逆転にしか貢献してなかった

2014年2月2日日曜日

PathfinderRPG GM Q&A『(スポイルに)負けない事、(スポイルを)投げ出さない事、(スポイルから)逃げ出さない事、(スポイルしないと)信じ抜く事、駄目になりそうな時それが一番大事』

いしかわさんよりPathfinderRPG GM Q&A『それも別の意味でスポイルしているのでは?』 - alternative dvamp's territoryにコメントをいただきました。ありがとうございます。ただ、コメントが長文だったので、コメントするのではなく、別の記事でレスとさせていただきます。

◇免責◇
以下の文はdvampの個人的見解を示すものであり、「そうするのはあきらかにおかしい」とか「それはダメ」とかいう気は毛頭ありません。またdvampはいしかわ氏やルールに対して「参加者全員が納得できて参加者たちが面白いと感じるならどう変更してもかまわない」と考えてる人ですので、その辺をご理解、ご承知の上でただの意見の発露と思って読んで下さい。

ちょっと言葉遊びをしてみましょう。

おっしゃるとおり。スポイルしてます。

前者の例(罠見抜きなくても受動判定OK)は全員に罠見抜きを付与する行為、後者の例(10ftより離れたところで罠発動)は罠見抜きそれ自体を無効化する行為という風にちょっとした違いはあれども、どちらも同じく罠見抜きという能力それ自体をスポイルしているのでは?という疑問点が解消しました。ありがとうございます。

罠見抜きは「10ft以内の罠に気付く」能力なので、12ft先の罠には効果を及ぼしません。従って、12ft先で発動する罠は罠見抜きをスポイルしていると言えるでしょう。

ところで、ロングソードを持った私のファイターは、10ft離れた敵を攻撃できません。
つまり、10ft離れた位置に敵を配置するGMは、私のファイターの攻撃能力をスポイルしていると言えるでしょう。

まず前者と後者で比較とするなら条件を等しくする必要があると思います。後者は移動アクションで10ft離れた敵に近寄れば攻撃できますが、移動アクションを使えば12ft先の罠を発見するのが可能かどうかは未定義だったと思います。移動アクションを使えば、12ft先の罠を発見するのを可能にするか、もしくは10ft離れた敵の周囲にはなんらかの要因によって移動アクションでも近寄ることができないのであれば、どちらもスポイルしていると言えると思います。

4th Cage Blog: 【PF】GM Q&A -幻術と罠って、いつ気付くの?-で、いしかわさんは以下のように記載されています。

*3:能動的に〈知覚〉をするには1移動アクション。http://www29.atwiki.jp/prdj/pages/113.html#Perception ところで、10ft四方を調べるのに1回の〈知覚〉ってルールがどっかにあったと思うんだけど、どこだっけ? 3.5eだけ?

つまり、いしかわさんも移動アクションでは10ft離れた対象に対して知覚可能と判断されていると思いますので、前者と後者でどちらもスポイルしていると言えるには、後者は10ft離れた敵の周囲はなんらかの要因によって移動アクションでも近寄ることができないという条件が必要かと思います。

Pathfinderでは、移動アクションで〈知覚〉をした際の距離の条件は確か定義されていませんが、D&D3.5eではSearch :: d20srd.orgに記載の通り、対象から10ftと記載されています。

いしかわは能力のスポイルのみならず、”ルールの超越”も「適度(ここ重要)なら」、そしてそれが「プレイを面白くするなら」別にかまわないと思ってます。

例えば、「物理ダメージを受けない敵」ってのは、「剣で切ったらダメージ」ってルールをスポイルしてますが、それがたまに出てくる分には文句言う人は少ないと思うんですよ。事前情報として「ヤツには剣が効かない」って伝えられてるとか「見た目に剣が効かなそう」とか情報があるなら特に。

でも、すべての敵がそれだったら、剣持ってる意味がなくなりますよね?
ましてや、事前情報なく、戦闘が始まってはじめて気付く、なんてなったら、そのプレイヤーがその場で帰り支度をはじめてもおかしくないと思うんですよ。

今回述べたのは、それと同じことで。
まとめるなら『ルールを超越した影響を与えてくるものは、用法・用量を守って適度にお使いください』
あと、『変わったことをするなら、みんなが納得できる形で』ってなとこですかね。

PathfinderRPG GM Q&A『それも別の意味でスポイルしているのでは?』 - alternative dvamp's territoryにも以下のように記載しておりますが、

◇免責◇
以下の文はdvampの個人的見解を示すものであり、「そうするのはあきらかにおかしい」とか「それはダメ」とかいう気は毛頭ありません。またdvampはいしかわ氏やルールに対して「参加者全員が納得できて参加者たちが面白いと感じるならどう変更してもかまわない」と考えてる人ですので、その辺をご理解、ご承知の上でただの意見の発露と思って読んで下さい。

いしかわさんが仰っている【『ルールを超越した影響を与えてくるものは、用法・用量を守って適度にお使いください』あと、『変わったことをするなら、みんなが納得できる形で』ってなとこですかね。】に反対する意図はありません。前者をスポイル、後者をスポイルではないように書かれていたので、後者もスポイルではないですか?と疑問を呈しただけです。こちらについては上記しておりますが、

ちょっと言葉遊びをしてみましょう。

おっしゃるとおり。スポイルしてます。

とのご回答をいただいているので、齟齬はないかと思います。

罠見抜きにはもうひとつ重要な機能として「捜索(移動アクション)を使用しなくても」罠を発見できるという能力があります。
10ft以上離れた罠を発見するためには、罠見抜きを持っていても毎ラウンド移動アクションを使って発見しなければならないので、その意味ではスポイルしていません。

まあ、こんなのも言葉遊びに過ぎないんですけどね。

移動アクションを使えば、10ft以上離れた罠を発見できると裁定されるのであればスポイルしていないことになりますね。