2013年4月17日水曜日

D&D4thは面白くないと言われました

さて、先日D&D4thを遊んだ際にタイトルのことを言われたんですが、彼の方の言い分は(タイトルからは分からないでしょうが)筋の通った話でした。あっちなみに自分とタイトルの発言された方はプレイヤー参加です。

漫画やアニメでは、敵の攻撃を回避するシーンは好まれる傾向にあると思います。当たらなければどうということはない!とか皆さん好きでしょう。

当たらなければどうということはない!

しかし一転、TRPGとなると、攻撃が命中しないことは忌避されます。コンシューマのゲームでは試行回数がダンチなのでこの傾向がそこまで顕著ではないのですが、TRPGでも「攻撃が当たらない」ことは良くないとする考え方がかなり支配的です。

感情面として当たらないと爽快感や手応えがないので不満ということもありますが、それ以外にも結果の不確実性ということに対して戦術性と相性が悪いということもあると思います。

ドラクエ等のコンシューマでは攻撃の命中率はほぼ100%(極稀にミスをする程度)で、ファイアーエムブレムで90%程度ですが、大抵の人は外れる印象を抱く程です。極々稀にシャイニング・ティアーズという命中率と回避率至上主義のゲームがありますが、あれをしたことがある人はご存知の通り、命中率を上げる為に器用特化するゲームなので、割愛します。一部の例外を除いて基本の命中率は95%位ということが分かると思います。

一方、TRPGではソードワールド2.0(以下SW2.0)の命中率はだいたい60〜80%(2d6で7以上〜5以上)であることが多く、特にボス相手だと40%(2d6で8以上)となることもあります。SW2.0の場合、命中率は容易に上げるサポート手段(【ファナティシズム】や【パラライズミスト】)があり、ボス相手でも60%程度に落ち着きます。ただ、この命中率はコンシューマで例に出した通り、“外れすぎる”と感じる参加者が多いものです。

同じTRPGでもアリアンロッド2Eの命中率の基本はこれよりもだいぶ高く、フェイトも考慮に入れれば90%前後になります。ただこれもファイアーエムブレムと同じ程度=外れる印象を抱く人が多いとも言えます。

他にも最近のメジャーなTRPGは命中率が80〜90%程度ありますが、一昔前のTRPGは命中率がかなり低い傾向があります。真・女神転生TRPG覚醒編、ロードス島(クリスタニア)コンパニオンも同じです。

さて、ここまで前置きしてなんですが、D&Dも一昔前のTRPG同様に命中率は低い傾向があります。ただ、D&D3e系(PFも含む)では、容易に命中率を高める手段がありました(と言っても95%まで滅多にいきませんが)。しかし、最新作のD&D4thはそうではないんですな…。D&D3e系と違って容易に命中率を上げる手段は奪われ、唯一頻繁に使えるのは挟撃くらいです。

で、命中率が低い=攻撃が当たらないことの何が問題かというとイメージそのものではなく、攻撃が当たらないことがゲーム的に面白い仕組み(システム)になっていないということです。

大抵のゲームでは攻撃が当たらなくてもその攻撃に費やしたリソースは消費します。これが繰り返し使えるリソースであればまだましですが、1日1回とか1日3回とか1遭遇1回といった様にリソースが制限されていると、不満だけが蓄積される仕組みになります。この辺り、システムデザイナーも分かっている様で、D&D3.5eまでの悪を討つ一撃は外しても回数を消費していましたが、Pathfinderでは1回限定の命中率とダメージアップではなく、宣言後、対象を倒す(または日が変わる)まで継続する効果に変わっています。逆に分かっていないデザイナーは1日1回とか1遭遇1回といった回数制限のものを追加したりしています。これがD&D4thですね。[信頼性]があるじゃないか!と仰る方がいるかもしれませんが、それは殆どのパワーに当てはまらないので除外しますよ。

タイトルの発言された方も変な戦術で戦ったわけではなく、【4e】タルい戦闘を回避せよ!に書いてあるD&D4thの戦術を取っていました。ただダイス目が少しばかり悪かっただけです。

例えば、相手の回避力以上の命中力を持ったカード(N◎VAの様にトランプでも可)を出せば命中するといった能動側に有利なシステムであれば、同じ命中率だとしても、“攻撃が当たり難い”といった不満を持つプレイヤーの割合は格段に減るのではないかなぁ?と思います。また、アリアンロッド2Eの様な既存のシステムでも、【フェイト】の使用判断が敵の回避判定の後になれば1、これだけでも印象は大きく変わると思います。既存システムでもこちら第三艦橋の GUNDAM SENTINEL RPG OEでは逆に、回避判定の出目の見た後に、精神力というシナリオ中に原則回復しないリソースを使って、回避判定にプラス修正を得るものもあります。この場合はより、同じ命中率でもより回避されてしまう印象をプレイヤーは受けると思います。

といった様に、攻撃が当たらないことの不満はほぼ全てのTRPGシステムで存在する問題点ですが、D&D4thはその中でも飛び抜けて、不満が蓄積され易いシステムになっているからなんだろうなぁ〜と今回感じました。


  1. 今は命中判定が先で、フェイトによる振り直しをした後に、敵の回避判定が発生します。

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