2013年9月14日土曜日

PathfinderRPG 善と悪と秩序と混沌と

PathfinderRPG Kingmaker 第15回『死者の谷』 - alternative dvamp's territoryにて、レインさんに以下のコメントをもらいました。

真なる中立の王が助けに行くというのに、いしかわさんのところのパラディンはwww どちらがパラディンかよく分からないっすねw

いしかわさんのところのパラディンさんの動きは秩序にして善としてそんなに変なこともないように思っていたので、別途記事にしてみました。

4th Cage Blog: 【PF】Kingmaker 第1回(前編)【ネタバレ】

アルティン「まあ、強盗だしね。死刑だよね。」

盗賊「ヒ、ヒィィ! お許しを! わしら、食い詰めて村から逃げて、仕方なく盗賊やってるんでさぁ」
マル「ふむ……よし、じゃあこうしよう。バイドンの首に縄をかけて梁に引っかけるから、君たちが引っ張りなさい。そんで、知ってることを隠さず話せば、特別に罪一等を減じて、身ぐるみ剥いでここを叩き出すだけで許してあげよう」
盗賊たち「ゲ、ゲェェーッ!」

他のPC「……うわぁ……」【どんびき】
GM「……うわぁ……」【どんびき】

(中略)

盗賊たちは約束通り解放された。

アル「ぼくは秩序にして善だから、約束は守るとも!」
オレグ「……あ、そういや剣卿から、盗賊の首6つごとに、400gpの賞金が出るってお触れが……」
アル「……ま、守るよ! 守るとも! だってLGだから! LGだから!
GM「……えらい苦しそうだなパラディンw」

4th Cage Blog: 【PF】Kingmaker 第1回(後編)【ネタバレ】

アル「はい、じゃあ手下のみなさーん。彼女の首に掛かったロープを引っ張ってくださーい
盗賊「そ、そんなぁ……」
アル「引っ張らない人は死刑でーす」
盗賊「ヒ、ヒィィ……」

他のPC「…………」【どんびき】
GM「…………」【どんびき】

アルティン「えー、だって盗賊は法に従ったら死刑でしょー? パラディンとして司法を代行しただけですよー」


問1:パラディンの『秩序にして善』とは何かについて、200文字以内で答えなさい。※1

4th Cage Blog: 【PF】Kingmaker第15回&第16回【ネタバレ】

GM「……別にいいけど、あんまり時間おくと、行方不明者の生存率が下がるんじゃね?」
アルティン「とは言え、わが領土の平穏は大切だからね! あんまり早く行方不明者探し当ててうかつに生きてられると面倒だし

GM「……正義って……ローフルグッドってなんだろう……」

アルティン「俺はパラディンだ。従って、俺の行うことが正義だ」

アッハイ。その通りです。

これらについて、別に“秩序”にも“善”にも反しているように見えません。誤解している人がいるかもしれませんが、秩序にして善とは別に皆さんが一般的に想像されるような正義の味方ではないんです。

ルールにも以下のように記載されています。

prdj @ ウィキ - 補足ルール

善と悪

 善のキャラクターやクリーチャーは罪なき生命を守る。悪のキャラクターやクリーチャーは、楽しみや利益のために罪なき生命を堕落させ、あるいは滅ぼす。
 “善”とは思いやり、生命を尊ぶこと、知性ある存在の尊厳を重んじることを意味する。善のキャラクターは自分を犠牲にしても他人を助ける。
 “悪”とは他者を傷つけ、おさえつけ、殺すことを意味する。悪のクリーチャーの中には、一片の慈悲も持たず、自分の都合で平然と他者を殺すものもいる。また、進んで悪をなし、楽しみのためや、悪の神や悪の主君への忠義だてのために殺すものもいる。
 善悪に関して中立の人々は、罪なきものを殺すのは気がとがめるが、他人を助け守るために自分が損をすることには熱心でない。

秩序と混沌

 秩序のキャラクターは真実を告げ、約束を守り、権威を重んじ、伝統を尊び、務めを怠ったものを裁く。混沌のキャラクターはもっぱら自分の良心に従い、あれをしろこれをしろと言われるのを嫌い、伝統よりも新しい考えを好み、約束は守りたければ守る。
 “秩序”とは名誉、信義、権威に対する服従、信頼性を意味する。悪いほうに転べば、偏狭、旧弊の墨守、独断、融通のきかなさなどを意味することもある。進んで秩序に従う者は、ただ秩序ある行ないによってのみ、人々が信用しあい、「みんなもやるべきことをやってくれるだろう」と信じて正しい判断を下す、そんな世の中を作り出すことができるのだと言う。
 “混沌”とは自由、融通、柔軟を意味する。悪いほうに転べば、無分別、正当な権威に対する軽蔑、勝手なふるまい、無責任などを意味することもある。進んで混沌の行ないをなす者は、皆が拘束を受けず自由であってはじめて人々は自分自身を十全に表現でき、1人1人が本来持っている力をふるうので世の中のためにもなるのだと言う。
 秩序と混沌の間で中立である人々は、権威には一応の敬意を抱いており、特にこれに従おう、または叛こうという衝動はない。元来誠実ではあるが、時として人に嘘をつき欺こうという思いのきざすこともある。

“秩序”とは名誉、信義、権威に対する服従、信頼性を意味する。悪いほうに転べば、偏狭、旧弊の墨守、独断、融通のきかなさなどを意味することもある。

上記の部分が今回の部分の認識のズレの起因かなと思います。逆に私は秩序にして善は混沌にして悪を殺すのが当然という以下の行為の方が秩序にして善の行為として非常に違和感を覚えました。

FROM GALAXY EAST We are Pathfinders!#145~PFキャンペーン『ザ・ペナルティメイト・トゥルース』第六話「たたり」後篇~

聞くこたぁ聞いたが、混沌にして悪のゲス野郎なんぞ生かしておく価値はなし、放っといて騒がれても困るので手早く息の根を止める。まあ実際生きてる価値なさそうな生き物だし秩序にして善がいるパーティだから仕方ないよね

ただ、属性に従った行動は補足ルールであり、これに合致しないとアウト、これに合致していたらセーフというものでもないので、その卓のマスターがOKと言えばOKなんではないでしょうか。

D&D3.5eの公式リプレイでも秩序にして善のハイローニアスを信仰するファイターとクレリックの仲間がサモン・アンデッドを使っても属性変更なしとかありましたしね。

3 件のコメント:

  1. 解説記事ありがとうございます。
    ただ分からない部分もあるのでもう少し説明してください。

    前者(いしかわさんのところのパラディン)と後者(混沌にして悪なら殺してOK)の例は何が前者はよくて、後者はよくないのでしょうか?

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    1. 前者は命を助けると約束したけど、賞金首なので差し出すとお金貰えるという自分にとって都合の悪い話が後から出てきても、最初の約束を守っており、秩序ある行いをしています。
      逆に後者は「聞くこたぁ聞いたが、混沌にして悪のゲス野郎なんぞ生かしておく価値はなし、放っといて騒がれても困るので手早く息の根を止める。」自分にとって生かしておくと都合が悪いので、混沌にして悪なら殺してOKという自分にとって都合の良い独自の権威・伝統を出してきて行動しているので、一見両方とも正義の味方像からは外れた行動をされているように見えますが、その行動の根底に流れているものは異なっているように少なくとも見えますというお話です。

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    2. 説明ありがとうございます。
      理解できました。

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