経営用語ですが、1.3倍の法則と言って、人間は1.3倍になるとそれが他と比較して明らかに違うということに気付くと言われています、所謂差別化ですね。また、1.3倍に1.3倍をかけた1.7倍になると飛び抜けているとかダントツと感じるそうです。
さて、これはTRPGでも当てはまり、HPがその良い例です。
PathfinderRPGでは、バーバリアンのヒット・ダイスはd12で、ウィザードやソーサラーはd6と、1.7倍以上の差があり、同じ戦闘クラスであるファイターはd10で、バーバリアンとの差は約1.3倍と明らかに違うと感じる様になっています。
一方、基本攻撃ボーナスでは戦闘クラスのバーバリアンやファイターはレベル毎に+1、ウィザードやソーサラーはレベル毎に+1/2(端数切り捨て)で1.7倍以上の差があり、ローグやクレリックはレベル毎に+3/4(端数切り捨て)で、バーバリアンやファイターとの差は1.3倍と明らかに違うと感じる様になっています。
この差を感じる部分は数値の大小ではなく、割合の差で感じているのが重要な点で、1点の差が違いが分かる差(1.3倍)になる場合、2~3点の差が圧倒的な違い(1.7倍)に相当することになります。
上記の例で言えば、基本攻撃ボーナスは最も高いクラスでもレベル毎に+1ですが、最も低いクラスでもレベル毎に+1/2で、レベル毎の値以外に補正する要素がありません。その為、3レベル時点で最も高いクラスと最も低いクラスの差は2点と数点の差でしかありませんが、圧倒的な差と感じるのです。逆にHPの場合、1レベル時点では明らかに違うと感じた(=飛び抜けているとは感じない)バーバリアンとファイターのHPの差は3レベル時点でその差は4点と基本攻撃ボーナスの倍もありますが、バーバリアンのHPは32、ファイターのHPは28なので、割合からすれば3レベルになると明らかに差を感じなくなるといった具合になります1。
ゲームバランスという観点で見ると、“差がない”ことが正しいと思いがちですが、一方で、どの様にやっても“違い”が感じられないゲームというのは面白くありません。参加者が“違い”を感じられる数値差というのは必要です。もちろんゲームバランスも大事ですから、あまり差が大きくなり過ぎない様に1.3倍(明らかな違いを感じる)や1.7倍(飛び抜けている、ダントツと感じる)というのは“ちょうど良い差”の基準と言えるかもしれません。
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バーバリアン、ファイターそれぞれ能力値はNPCの創造に従い、一緒とし、【耐久力】は英雄クラスの14としている。↩
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